第一分科会

第1分科会

テーマ「働きやすい職場つくり、環境とは」

報告者 黒 幕

 まず、Fさんの体験談があり、最初に採用された時は健聴者だった。その後、年齢が30歳ごろから聴力が落ち、44歳で完全失聴となり、平成7年に人工内耳の手術をされ、1対1の会話でなら、普通に会話できるまで回復。つまり、健聴者から中途失聴者、その次に人工内耳による聴力の回復のなかで、職場の環境をどのように変えていったかを話していただいた。

 それから、参加された皆さん一人一人から自分の悩みとか色々と意見、発表を行なった。
採用されてから長く勤めておられている方から、今年新しく採用された経験の少ない方もいて、実にいろんな意見があった。

 Fさん以外にも人工内耳の手術をされ、現在の仕事の中身より難しいものを求めていきたいという意欲を持っているという発言をした人もいた。ほかにも、「研修に通訳をつけてもらえない」「職場でコミュニケーションがとれない」とか、採用されて間もないという方が「まだ仕事の内容がよくわからない」などという悩みがあった。また、分科会に参加されている健聴者もいて、知的障害者の施設で働いている方は「知的障害児に対するどのようにコミュニケーションをはかっていけばいいのか」という悩みを持っていた。

 それぞれ参加された人たちの意見をまとめて、働きやすい職場環境にするにはどうしたらいいかを討論した。

その結果をいくつかにまとめたので、報告します。

(1)研修を受ける時などに、情報保障(手話通訳・要約筆記など)を求める。

 情報保障を求めるよう上司に要望をする。研修がある場合、派遣の予算を組む必要があるので自分の上司、たとえば係長や課長に相談してつけてほしいと要望していくことも大切である。また、人事担当課に交渉することも大事。さらに、労働組合を通して働きかけをしてくという方法もある。

(2)仕事ではコミュニケーションが大事

 自分の上司が自分に対する理解を求めていくということも大事である。上司に対して、自分自身耳が聞こえないことを伝える。もし、曖昧なままでいると上司は、どの程度聞こえないかということが分からない。例えば、自分が上司に伝えた場合また、上司から命令された場合、曖昧なままであれば、上司は「これで分かってもらえた」というふうに理解される場合もある。あとあと、トラブルの原因にもなる。だから、きちんと自分が聞こえないことをアピールする必要がある。

 次に、仕事の中で、人と人とのコミュニケーションが大切だ。それは、自分の仕事以外に同じ職場の人とのコミュニケーションも大切である。例えば、自分は電話ができないということで、代わりに電話に出るようにお願いする。または、電話が取れない。だから、自分では「聞こえないので、電話がとれません」ということをほかの人にすぐとってもらえるようお願いすることも大切だと思う。

(3)職場の環境をきちんと、整備しておくことが大切。

 電話のことでも述べたが、それ以外に自分で仕事に対してできないことがあると思う。それをはっきり、「できない」ということを伝えて、他の部署にかわってもらったり、自分のできる仕事をもらえるようにすることも1つの方法である。

 仕事の中で専門職をされている方がいた。資格、特別な技術など、若いときから進んでいろんな資格を取得することも大切です。

(4)友達を作る。

 例えば町長さんと友達だという参加者がいた。その人は特別ですけれど、仲間、同期、組合などいろいろあると思うが、えらい人と友達になるという方法もある。そこまでいかなくても、福祉事務所で、身体障害者専門相談員とか手話通訳派遣担当者の方とかと友達になる方法もある。

とにかく、自分の職場環境をよりよいものにするために人を、人と人とのつながりを持って、悩み、相談そして、一緒に運動をおこしたりもして問題解決につなげていけるようにすることが大事です。

(5)情報収集、交換を積極的にすすめる。

 健聴者の方より分科会の中で意見がありましたが、聞こえない人たちを見ても、何が困っているのか、わからないということがある。聴障者としては、周りのひとに進んでアピールすることが大事である。例えば、研修がある場合、聞こえない人が参加されていないというケースが多いが、その時、健聴者からは聴障者は始めから受けるつもりがないとみている場合がある。

 また、職場で研修を受ける機会があるが、その前にお知らせの回覧が回ってきます。その回覧は聴障者を飛び越えて回っていく場合がある。そういう、「研修を受けるチャンス」がないというときもある。とにかく、普段から同じ職場の人と同じように情報を集めておき、職場の人と同じように研修を受けるチャンスを作ること。その次に研修には、情報保障(手話通訳・要約筆記)をつけてくれるよう申し出ていくということも大切です。

 まとめとして、働きやすい職場環境作りということについて昨日今日で終わりではなく、これからも続けていくことが大事です。そのためには、普段から自分から進んで人と人とのつながりを作っていく、また、自分の求めるものをきちんと求めていくということも大切です。

 情報保障については、手話通訳とか要約筆記などをつけてほしいということがある。予算作成の時期がチャンスです。このチャンスを活かして、通訳をつける予算を要望するということをやっていけたらいいです。そういうふうにして働きやすい職場環境にするためには、「チャンスをも活かす。」ということも大事です。

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